着物を着た後、ふと見つけた小さなシミ。
「自分で落とせるのか、それとも専門店に相談すべきなのか」と悩む方は多いのではないでしょうか。
着物は絹などの繊細な素材で作られているため、一般的な洋服と同じ感覚でシミ抜きを行うと、生地を傷めたり色落ちの原因になることがあります。
この記事では、着物にできるシミの種類と、自分で対処できるケース、専門の染み抜きが必要なケースについて詳しく解説します。
大切な着物を長く着るために、正しい知識を知っておきましょう。
着物につくシミの主な種類
着物に付くシミにはさまざまな種類があります。
シミの原因によって対処方法も変わります。
食べこぼしのシミ
食事の際に付いてしまうシミです。
例えば
・醤油
・ソース
・お茶
・お酒
・ジュース
これらは水分を含むことが多く、比較的落としやすい場合もあります。ただし時間が経つとシミが定着するため注意が必要です。
汗のシミ
着物を着ると帯や長襦袢の下に汗が溜まりやすくなります。
汗は乾くと目立たなくなりますが、時間が経つと
・黄ばみ
・変色
・輪ジミ
になることがあります。
汗汚れは水溶性のため、通常の丸洗いでは完全に落ちないこともあります。
ファンデーションや皮脂のシミ
衿元にはファンデーションや皮脂汚れが付きやすくなります。
これらは油分を含むため
・黒ずみ
・くすみ
の原因になります。
時間が経つと落ちにくくなるため、早めの対処が大切です。
古いシミ
長年保管している着物に見られるシミです。
時間の経過により
・茶色いシミ
・黄変
・変色
などが起こることがあります。
このようなシミは家庭で落とすのが難しく、専門の染み抜きが必要になる場合が多いです。
カビによるシミ
湿気の多い環境で保管していると、着物にカビが発生することがあります。
カビは
・白い斑点
・黒い斑点
・青カビ
などの形で現れます。
カビは繊維の奥まで入り込むため、専門的な処理が必要になることが多いです。
自分で落とせる可能性があるシミ
すべてのシミが家庭で落とせるわけではありませんが、比較的軽い汚れであれば対処できる場合もあります。
水溶性の軽い汚れ
例えば、
・お茶
・水
・薄い飲み物
などに含まれる水溶性の汚れは、油性のシミと比べると比較的除去しやすい性質があります。
しかしながら、着物に使用される正絹(シルク)は、水分を含むことで繊維の強度が一時的に低下し、摩擦に対して非常に弱くなるという特性があります。
そのため、汚れを落とそうとして擦ってしまうと、繊維表面が損傷し、白く毛羽立つ「スレ」や、糸切れ・生地の破れといった深刻なダメージにつながる恐れがあります。
水分が付着した場合は、無理に拭き取ろうとせず、乾いた布やティッシュを上から軽く当て、押さえることで水分を吸収させる「吸い取り処理」を行ってください。
なお、日常的な水分汚れを防ぐためには、あらかじめ撥水ガード加工を施しておくことも有効です。
水や汚れを弾くことで、生地への浸透を防ぎ、シミやトラブルのリスクを大きく軽減できます。
心配な方は、撥水ガード加工のご利用をおすすめいたします。
シミ抜きの基本的な考え方
軽いシミの場合は
・乾いた布で軽く押さえる
・水分を吸い取る
・擦らない
ことが基本です。
擦ると
・生地が傷む
・色がにじむ
原因になります。
自分で落とすと危険なシミ
次のようなシミは家庭で処理すると、かえって状態が悪化することがあります。
古いシミ
時間が経ったシミは繊維の奥まで染み込んでいます。
家庭で無理に処理すると
・シミが広がる
・色落ちする
・輪ジミになる
可能性があります。
カビ
カビは表面だけでなく繊維の奥にも広がります。
自己処理では
・カビ跡
・変色
が残ることがあります。
専門の洗い張りやカビ取りが必要になる場合があります。
色移り
帯や他の衣類の色が移った場合は、染料が定着している可能性があります。
この場合は
・色抜き
・染色補正
など専門の技術が必要になります。
専門店の染み抜きとは
着物専門店では、シミの種類に応じて適切な処理を行います。
主な作業は
・染み抜き
・洗い張り
・色掛け
・染色補正
などです。
熟練の職人がシミの原因を判断し、生地や染めを傷めないように処理を行います。
丸洗いで落ちるシミと落ちないシミ
着物のクリーニングには「丸洗い」という方法があります。
丸洗いは洋服のドライクリーニングに近い方法で
・ホコリ
・軽い汚れ
・ファンデーション
などを落とすのに向いています。
しかし
・汗
・古いシミ
・カビ
などは丸洗いだけでは落ちないことがあります。
この場合は
・汗抜き
・染み抜き
などの追加作業が必要になります。
着物のシミを防ぐためのポイント
シミを防ぐためには、日頃のケアが重要です。
着用後の陰干し
着物を着た後はすぐにしまわず、風通しの良い場所で陰干しをしましょう。
湿気を飛ばすことでカビを防ぐことができます。
早めのお手入れ
シミは時間が経つほど落ちにくくなります。
気になる汚れがある場合は、早めに専門店に相談することが大切です。
正しい保管
着物は
・湿気
・直射日光
を避けて保管することが重要です。
定期的に虫干しを行うと、カビや変色の予防になります。
着物のシミでお困りの方へ
着物のシミは原因によって適切な処理方法が異なります。
無理に自己処理をすると
・シミが広がる
・色が抜ける
・生地が傷む
などのリスクがあります。
大切な着物を長く着るためにも、気になるシミがある場合は専門店への相談をおすすめします。
当店では着物の状態を確認し、最適なお手入れ方法をご提案しております。
写真でのご相談も可能ですので、着物のシミや汚れでお困りの方はお気軽にご相談ください。