30年前に仕立てた七五三の女児着物を、
「孫に着せたい」とのご相談をいただきました。
タンスから取り出したところ、カビのにおいがあり、
袖を中心に広範囲の黄変が見られる状態でした。
特に一部は濃い茶色にまで変色しており、
「この状態でも着られるようになるのか」とご不安をお持ちでした。
着物の状態を確認し、最適な処置をご提案いたしました。
■ ご依頼内容
・約30年前の七五三女児祝着の着物
■ ご相談時の状態
・カビ臭あり
・袖に広範囲の黄変
・全体的なくすみ
■ 作業前の状態

地色のピンク部分にたくさんの黄変ときばみのくすみ。黄色を過ぎて茶色に変化している状態。
■ 作業内容・作業後の状態
今回のような黄変は、保管中にカビ発生し
時間の経過とともに変色が進んでしまった状態です。
そのため、単純なしみ抜きだけでは改善が難しく、
段階的な処置が必要になります。
特に茶色く変色している場合は、
一度の処理で落とすことはできないケースがほとんどです。


■ 今回のポイント

今回の作業担当:大原健嗣
まず全体の状態を整えるために丸洗いを行い、
その後、黄変部分に対してしみ抜きと黄変抜きを行いました。
今回の黄変は濃く進行していたため、
一度の処理では十分に改善できず、複数回に分けて処置を行っています。
黄ばみをできる限り薄くしたうえで、
最後に染色補正を行い、違和感のないように整えました。
カビ臭は、丸洗い、蒸気プレスにより完全には除去できませんでしたが
近くで臭わないとわからない程度まで改善できました。
今回のように時間が経過した黄変は、
完全に元通りに戻すことが難しい場合もあります。
しかし、適切な処置を行うことで、
着用できる状態まで改善できるケースは多くあります。
「古い着物だから無理かもしれない」と思われる状態でも、
状態に応じた処置を行うことで、再び着用できる可能性があります。
特に七五三のように思い入れのある着物は、
できる限り良い状態で着せてあげたいものです。
まずは現在の状態を確認することが大切です。
■ 同じようなお悩みの方へ
・気づいたら黄ばんでいた
・丸洗いしても落ちない
・昔のシミが浮き出てきた
このような場合は、早めの対応がおすすめです。
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着物の状態は一つ一つ異なります。
写真をお送りいただければ、最適な方法をご提案いたします。